丸山製作の波乱含みから個別材料株物色人気が、やや停滞気味の感があるが、こういう時こそ下値ゾーンの銘柄は絶好の仕込み場といえる。業績底入れから急回復に向かい、株価も大底確認で、下値リスク皆無の銘柄は、必ず高パフォーマンスにつながるはずだ。同社株あたりは、その代表銘柄のひとつである。現時点では、市場の注目外にあるが、気が付いた時は200円大台を回復し、大きく仕手化しているところだろう。そう意味からして、ここは文字通り千載一遇の仕込み場といえる。
昨年9月頃に190円どころからスタートした相場は、1月7日に253円まで急伸したものの、結局は従って来いとなり、元のサヤに収まっている。ちなみに、5月25日に180円まで売られたわけだが、大底圏とみてよかろう。取り組みは、売り残の420万株弱に対して、買い残は2560万株強と大幅買い長だが、仕手色の強い銘柄ということでは、当然のことだろう。むしろ、取り組み悪を嫌気してカラ売りを誘うサプライズも期待できよう。また、高値期日の到来での下げは、格好の買い場提供と見るべきだろう。中低位材料仕手株の中核的存在になろう。
同社の連結売上高は、2004年3月期をボトムにして、前3月期から増加に転じてきた。2001年3月期には営業損益が赤字転落、有利子負債も1057億円に膨らみ、債務超過寸前の財務状況だったのが、営業利益は今3月期75億円予想に急回復、また、昨年9月末現在の有利子負債は539億円とほぼ半減するなど財務体質も大幅改善してきている点は高く評価されてよかろう。同時に日立製作所が同社の筆頭株主になったことによる相乗効果で、利益成長をめざすステージに入り、今期には復配が視野に入ってきたことも強力な材料として評価できる。
同社泉龍彦社長は、中国を軸に海外市場への再挑戦を宣言し、1010年を見据えた長期ビジョンでも「中国の強化」を明確に打ち出している。同時にカーナビで息を吹き返した同社では、次世代の開発競争はIT(情報技術)向けに重点配分するため、2009年度の研究開発費を前期の1.5倍に増やす計画など大攻勢をかけている。
また、5月23日には、日立製作所とカーナビなど車搭載情報機器事業での業務提携強化を発表。同社の開発担当者を日立のソフトタワーに集め、走行制御システムやハイブリッド車に使う技術を共同開発するという。2008年以降に発売する新製品の開発を共同で進める計画。なお、米国でカーエレクトロニクス製品の販売網を拡大する。現在は、約1500である製品を納入している店舗を3年以内に3倍強の約5000店に増やす計画。
ともかく、成長路線へ大きく踏み出した同社は、日立グループとの相乗効果を見据えながら、得意とする市販品の次世代技術などを磨く挑戦は始まったばかり。相場もこれから。2003年4月高値の262円抜けからが本番。
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