A:いつもキッチンカブーをお訪ねいただきまして誠にありがとうございます。デサントは昨日も相場が前場と後場とで乱高下する中を堅調な推移を見せていました。私達もデサントについては以前から好業績銘柄であり、割安感もあり、同時にオリンピック関連という話題性があることで注目して参りました。加えて信用の取り組み妙味があることも(東証信用残1.12倍、日証金ベース1.4倍)、人気の一つの要因と考えられます。
しかし、ご心配されているように足下はオリンピック、あるいは猛暑による水着需要といった夏の盛りを過ぎる辺りからは人気に陰りも生じてくると考えるのが賢明かと思われます。
業績見通しは決して悪くありません。前期業績も在庫圧縮や人件費抑制を柱にした収益構造改革が奏功し、4期ぶりに復配を達成。今期についても主力のゴルフウェアが販促強化と景況感の改善も手伝って好調なほか、アスレチックウエア、スポーツカジュアルウエアが堅調に推移(スキーウエアは微妙ですが)、今のところ増収増益が見込まれているほか、来期についても中国展開が上乗せされていることもあって増収増益予想と順調な見通しです。
ところが足下は堅調な国内の個人消費についても10月からは年金保険料が引き上げになることや依然として多くの企業が賃金の上昇には慎重なこともあって、個人消費の伸びの持続性には疑問があります。
一見すると猛暑のおかげも手伝って消費者の財布の紐が緩み始めているように見えますが、ゴルフウエアやアスレチックウエアといったものは普段から身につける下着ほど必要性を感じるものではないだけに、個人消費に少しでも北風が吹いてくると落ち込みやすい性質のものです。
同社の業績も回復しつつあるとはいえ、1980年代のピーク時の最終利益にはほど遠い水準です。株価はPERからは割安感があるとはいえ、テクニカル的には過熱感を示しており(特に週足ベースで)、夏の盛りを前に株価も天井をつける可能性が高いと予想します。
私達の分析モデルによれば向こう3カ月間の上値のメドは510円±10円程度、上値メドに近づいて達成感が生じると3カ月程度の調整に入ると予想、高値から15〜20%程度の調整があると分析します。「年内はそれほど上昇余地はない」、そのように予想します。ここからの上昇には冷静な対応をお奨めします(利食い先行)。
甚だ稚拙な解説ではございますがお客様の投資のご判断にお役立ていただければ幸いです。今後とも当サイトをご愛顧頂けますよう何卒宜しくお願いします。